読売新聞でおすすめのベストセラーとして、漫画「君たちはどう生きるか」を小さなコラムで取り上げていました。
受験を控えた長男や、新入学で希望に満ちた次男、末っ子の小学生最後の1年間を有意義に過ごさせたい親の私、将来をどうしようああしようと悩んでいます。
なぜ勉強しなければいけないか、なぜ社会の仕組みの中でいきていかなければいけないかを親が説明しても、うるさいばかりで聞いてはくれません。
漫画だったら読んでくれるかも、、、(親の私はポプラ社の原作も)と思い購入してみました。
目次
「君たちはどう生きるか」漫画では描かれなかったこととは?
この本の感想や素晴らしさはベストセラーですから他の方もコメントされていると思うので漫画と原作を比較しての感想を書きますね。
行間の細かな描写は本の方が上です。
漫画では雰囲気とか大事なところをポイントで描いていますけれど、説明が足りないところは合間に文字で補足してあります。
文字を読むことが苦手な人は、文字を飛ばして漫画だけでも読み進められるように考えられているんですね。
漫画では「第9章」すいせんの芽とガンダーラの仏像は描かれていません
第9章では、庭で芽を出しはじめた水仙の球根をうつしかえていたら、1本だけ深い深いところからやっと芽を出した球根を見つけて、いたわっているというお話と、おじさんとコペル君が仏像とは、どうやって誰が作ったのかという対話形式のお話で成り立っています。
中学生や高校生になると歴史や地理を暗記します。
仏像の歴史的な成り立ちを(答えがあっているかは別として)連綿とした脈略で考えれば、面白いと思うし、暗記も苦ではなくなると思うのです。
そして、仏像ができる過程で、インドとギリシャの間のアフガニスタンが、ヨーロッパとアジアの文化の架け橋として重要な拠点であったことを教えてくれます。
アフガニスタンは、アメリカとイランの戦争で貴重な文化的遺産が破壊された経緯もありますから、現代にもつながる問題ですね。
大昔の日本人が、世界の歴史や地理を知っていたわけではないでしょうが、日本人が優れたものを優れたものとして感心し、その値打ちがわかる心を持っていた民族であったことを語っています。
さいごの「作品について」は漫画にはありません
原作のあとがきでは、「君たちはどう生きるか」が書かれた時代背景や執筆者の使命感が書かれています。
この本が書かれたのは、1937年。
戦争中の自由な表現を制限された時代です。
偏狭で暗い時代にも、思想や時代を超えた自由で豊かな文化があること、虐げられても強くて誇り高い信念を持つことを願って刊行されたようです。
さいごに
配達されたのは土曜日で、私が仕事から帰宅してみると既に開封されて漫画の方は読まれていました。
漫画でもかなり分厚い本です。
原作の方とあまり厚さはかわりません。
原作の方は、漢字にひらがなのルビがふってあるので読みやすいと思います。
昨日のことなので、子どもたちにどんな変化があるのかはもう少し様子を見てお知らせしますね。