2019年4月、天皇陛下が戦後初めて、生前退位されます。
そして、5月1日に、皇太子様が新天皇として即位される予定です。
新天皇が即位する時には、色々な行事が行われますが、なかでも重要なのは、三種の神器と呼ばれる、鏡、剣、宝が継承される儀式です。
21世紀の現代において、狩衣という平安時代の衣装を着て行われる興味深い儀式です。
この三種の神器についての興味深いエピソードがあります。
目次
三種の神器とは?
三種の神器とは、八咫鏡(やたのかがみ)・八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)。
中でも八尺瓊勾玉・草薙剣は併せて剣璽(けんじ)と言います。
儀式に使われる、神剣と勾玉は、普段は、天皇の寝室の隣に土壁に囲まれた塗り籠めの「剣璽の間」に安置されています。
三種の神器のうち神鏡は宮中三殿の賢所の神体であるため、即位の礼などでも動きません。
実際の三種の神器の映像は?
八咫鏡(やたのかがみ)
伊勢神宮の遷宮時、遷御の儀。映像では、4分25秒〜5分30秒をご覧ください。
はじまりの掛け声は、鶏の鳴き声を模しています。
八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)・草薙剣(くさなぎのつるぎ)
天皇陛下の即位の礼において、松の間にお入りになる時に陛下の前に剣、後ろに宝、御璽、国璽が続きます。
御璽・国璽は、天皇の印鑑のようなもので、それぞれ「天皇御璽」、「大日本国璽」と刻印されています。
御璽は、詔書,法律・政令・条約の公布文,条約の批准書,大使・公使の信任状などに押されます。
映像の18分10秒〜ご覧ください。
伊勢神宮の遷宮時
三種の神器の5つのエピソード
儀式に使われるのは、形代と呼ばれる神器に準ずるもので、現物は、天皇自らも見たことがない
現物の鏡は、伊勢神宮にあり、20年に一度の遷宮時には、箱に入ったまま夜間白布をかけて、列を組んでの移動となる。
宝(勾玉)の現物は、皇居の吹上御所、『剣璽の間 』にある
神剣の現物は、熱田神宮にある
歴史的には、日本という国のはじまり、神話にまつわるものや、源平の合戦で、剣と宝は、壇ノ浦で安徳天皇とともに海に沈んだことや南北朝の争いがあったりとその存在は奥が深く、日本の歴史そのものです。
諸外国の王位の象徴は?
海外では、レガリアと呼ばれ、正統な王、君主であると認めさせる象徴となる物です。
西欧諸国においては王冠・王笏・宝珠の3種。
中国の周では、九鼎(きゅうてい)。古代中国における王権の象徴。
鼎(かなえ)は鍋釜に相当する古代中国の三本足の金属器具で祭器。
中世フランスのジョワユーズは、シャルルマーニュ伝説でシャルルマーニュが所持していたとされる剣。
黄金の床几(おうごんのしょうぎ)は玉座のこと。アシャンティ王国(1670年から1902年まで、現在のガーナ内陸部にあった王国。1901年イギリスに併合。)
まとめ
三種の神器を語ることは、日本の歴史を語ることと同じですね。
その裏には、壮大な歴史があります。
三種の神器の謎は、現物を見た人がいないということと、その歴史にあります。
世界的に見ても似たような逸話があるので王位の象徴として興味深いものですね。
まだまだ奥の深い内容なので随時更新していきたいと思います。