先の2冊は、科学が好きになるというよりは、主人公が、一日中、好きなことに没頭している様が描かれています。
子どもが好きなことって?
小さな頃から生まれながらに持っている性質みたいなものです。
子どもが好きなことに没頭できる環境を整えることが親の役目かなと思えます。
『海辺の宝もの』
初出版は、1965年です。
2012 年に再出版されました。
今から200年前のイギリスの実在の少女、メアリー・アニングが、1811年にイクチオサウルスという恐竜の化石を発見するまでを書いたものです。
ちなみに、進化論のチャールズ・ダーウィンが生まれるのが、1809年です。
お話の舞台になるライム・リージスは、2001年、世界自然遺産に登録された町で、いまも化石採取ができる場所として人気です。
通称ジェラシックコーストと呼ばれています。
私もぜひ1度訪れたいとおもっている場所です。
地中海を隔てて、三葉虫化石の産地である、モロッコがあります。
『フィボナッチ』
渋谷弘子 :訳
中世のイタリア、フィボナッチ数列で有名なレオナルド・フィボナッチ(1170?—1240?)という数学者の物語です。
数が好きで、家中の、あらゆるものの数を数えていました。
そんな問題を普段から考えているので、学校でもぼんやりしているように見えたのでしょう。
小さな頃は、能無しと呼ばれていました。
大きくなってからは、現在私たちが使っているインド・アラビア数字の優位性に気づき、勉強の旅に出かけます。
そして、遂には、オウムガイの殻やひまわりの種のうずまき(フィボナッチらせん)、花びらの枚数など自然の中の数の規則性を発見しました。
フィボナッチ数列といわれています。
子供の素朴な疑問が、こんな風に育まれるといいなぁ、と思える物語です。
宝さがしの旅
メレディス・フーバー 文
山田順子訳
イラストレーターの、スティーブン・ビースティーは、『輪切り図鑑』で知られ、世界で200万部を超え、受賞多数。
訳者の山田順子さんは、スティーブン・キングの『スタンド・バイ・ミー』をはじめ、訳書多数。
本の内容は、宇宙の生成から、エジプトのファラオ、ローマ皇帝、カール大帝、時禱書(ジトウショ)、イギリスのエリザベス女王、ヴェルサイユ宮殿、ゴールドラッシュ、現代、等々、『金』が歴史上どのような変遷をしてきたかが、描かれています。
『金』というテーマゆえ、絵も素晴らしく、豪華です。
内容は、絵本にしては、ちょっとむずかしいかもしれません。
まずは、美しい絵を眺めるだけでもいいでしょう。
絶版で、amazonでのみ購入できます。