仕事柄、最近、友人から聞かれたことです。
友人は、年齢の割に、血管が細く、まっすぐな血管がありません。
(いわゆる、看護師泣かせの血管というやつですね)
『検診の時の採血は失敗されないのに、点滴で3回も刺されたー』と文句を言ってました。
採血では一発で針が入るのに、点滴ではどうしてできないかをご説明します。
点滴と採血 所要時間の違い
点滴・・・・短くても30分、長くて数日間~7日間。
所要時間が長いので、肘関節などの曲がるところ、濡れるところ、日常生活で不便をきたすようなところには実施しません。
採血・・・・所要時間1~2分なので、肘関節などの曲がるところでもOK。
点滴と採血の違い 針の挿入の長さの違い
点滴・・・所要時間がかかるので、針は全体の半分以上は入れて、しっかり固定する必要があります。
採血・・・とにかく血管に入ればいいので、針先数ミリでも入ればよし。
点滴と採血 針を刺す部位の違い
前置きが長くなりましたが、上記の説明を踏まえたうえでの刺入部位の違いです。
(ややこしいので、詳しい神経の走行部位は説明を省きます。)
点滴・・・前腕の肘から指先までで、3~4cm のまっすぐに走行した血管を探します。
通常は、肘関節を除く前腕部で実施しま す。
皮下脂肪が厚く血管が見えない、触れない場合、血管が蛇行がしている場合は、上腕や、痛いですが手背ですることもあります。
採血・・・前腕から指先の範囲で、駆血帯でうっ血させて、青い血管が浮き出るところであれば、(神経麻痺の危険を考慮しなければ)どこでも可能です。
ですが、普通は、痛みの少ない、神経損傷の危険の少ない、前腕の肘関節部位の正中静脈や、橈骨側(親指側の)血管などで実施します。
点滴と採血 その他、針の違いや実施者の経験年数
病院の予算にもよりますが、点滴で使用するサーフロー針という、外筒がシリコンの針があります。
内筒が普通の針で、刺してから内筒を抜いて外筒だけ体内に残します。
この針ですと、多少曲がった蛇行した血管でも留置できます。
点滴も採血も、経験がものを言います。
まとめ
採血と点滴、どちらが難しいかと言われたら、点滴です。
点滴に、短時間で終わる静脈注射を含めると、人によっては漏れやすいですし、採血より難しいと言っていいでしょう。
実はここだけの話、患者さんからのプレッシャーで成否が分かれる場合もあるんですよ。
「よく失敗される」、とか言われるとドキドキします。
(看護師によっては、かえって闘志がわく人もいますが。)
だから、「いつもここでやってるよ」と教えてくださると助かりますね。
(私は、最初から聞きますけど。)
ちょっとわかりにくかったかもしれませんが、さいごまで読んでくださりありがとうございました。